年末年始休暇もあとわずか。実家帰りや子育てに追われ、自分のやりたいことが何一つできないまま、この休暇が終わってしまいそうです。
さて、私には近代日本史に関する本を読むという趣味があります。特に大政奉還以降、明治維新から昭和の時代への政治や文化の移り変わりに強く興味を持っています。
実は先日の某忘年会で、以前に受けたCALS/ECインストラクター試験の帰りに、靖国神社へ参拝した時の話題になりまして、少しだけその知識を披露したところ、右翼のレッテルを貼られてしまいそうになりました(笑)
当時を現在の尺度で判断すれば、富国強兵も殖産興業もみな戦争目的のためと見られがちですが、その当時は欧米の植民地にならないためには必然のことであったと自分は思うわけです。対米戦争だけは絶対に避けなければならなかったのは、当時の海軍でも十二分に判っていたことでした。
それだけに、世論におされ国の進路を誤り、あの悲惨な戦争となってしまったのは、まさに国策の誤りであったわけです。今多くの問題となっているのは、戦後の国の責任の取り方でしょうか。戦後62年も経つのに、未だに中国や韓国では日本の戦争責任を問う声が無くなっていないのは、一国民としてとても悲しむべきことだと思います。
しかし、現在の日本の繁栄は、実にこの戦争によって基礎が出来ているわけです。造船、自動車、機械工業、電気産業のすべてはいずれも軍需産業が母体となっているわけで、戦後の経済の建て直しが僅か20年足らずで成り得たのは、それらの技術力の蓄積が有ったお陰なのです。その意味では、富国強兵も殖産興業も決して間違いではないのです。もちろん、それだけではありません。焼け野原の中にも「不撓不屈」の精神に燃えた優秀な人材が多く残っていたことが今の繁栄の原動力になっていることを忘れてはいけないのです。
翻って今の日本を見ますとどうでしょう。TVや新聞の報道を見聞きするたびに、あまりにも無責任なことが多すぎるとは思いませんか?
社会保険庁の年金問題、防衛省事務次官の収賄事件、財政破綻する自治体、耐震偽装事件等も含めて、責任感の欠如がすべての原因ではありますまいか。
やはり人間である以上、権利を行使するには義務も果たさねばなりません。特に国を動かす人達には、その責任感と品行方正さが更に求められます。今からでも襟を正して、国民からも世界からも信頼されるようになって欲しいと思わざるを得ません。
この「不撓不屈」と言う言葉は、ゼロ戦のエースパイロットだった坂井三郎氏の座右の銘です。氏が瀕死の重傷を負いながらも1000kmも離れたラバウル基地に燃料切れ寸前に帰還する話や、100対1で絶望的になった硫黄島上空での戦闘でも必死に生き抜いた話などを読むと、まさに「侍魂」を感じます。
休暇中にこの坂井三郎氏の著作「大空のサムライ」を再読し、改めて身の引き締まる年明けとなりました。自分も不撓不屈の精神で、今年も精一杯、CALS/ECの普及・啓蒙に努力していきたいと思います。
表向きは平和な今だからこそ、その個々の力を「世の中のため」に尽力するのが、戦後に生きる我々の世代に強く求められていることなのではないでしょうか。
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