仲間内での話題で恐縮だが、毎年1月に東京で開催されているCALS/EC MESSE ですが、どうやら中止になったそうだ。私も参加させていただいている建設ブロガーの会も例年これに合わせて開催されてきただけに、非常に残念な知らせとなった。
 

何しろ、CALS/ECの目標は、2010年を一区切りとしてたはずだ。2010年には全自治体への導入が完了するはずであった。もし、本当にそうなっているのであれば、今回のCALSMESSEはそれはそれは華々しいイベントになるはずであった。
 

だが、現実はどうか。


実体は言わずにも判る通りだ。市町村レベルにまで普及したとはとてもじゃないが言えるレベルにない。
 

今回中止になったという噂では、出展企業が集まらなかった、とか公共事業予算の削減の煽りだとか、国交省の官僚達が目立つイベントを控えたかったからだ等の様々な憶測が飛び交っている。
 

中止となるのであればそれはそれで仕方がないが、このままCALS/EC自体が衰退化してしまわぬよう、国は配慮してほしいと思う。特に基準類については従来からあまりにも国中心で考えすぎており、各自治体で採用しようにも実態に合っていない等の問題があり、独自ルールを作る必要があるなどCALS/EC導入に際して苦労を強いている場合が多い。これが電子納品普及の阻害要因のひとつになっているのは間違いない。
 

また、従来使っていたCADを捨てて新たにSXF対応CADを導入したものの、それを十分に活用できていないというケースもあるようだ。結果として捨てたはずのCADを違法コピー状態で使い続け、正規で購入するよりも高い金額を支払ったという自治体さえもある。
 

このような中でも、国によってCALS/EC導入への梯子が掛けられて、自治体も建設会社も皆一段一段と上ってきたわけであるから、この梯子を守り、より太くしていくのは国交省の重要な責任である。現政権がどうあれきちんと対応していって欲しいと思う。
 

そもそも出展者が年々減って来ている理由としては、電子納品分野において関連商品を開発、販売を行っているITベンダー、ソフトベンダーの収益が上がっていないのが原因だ。売れなければ真っ先に削るのは広告、宣伝費用だからだ。
 

皆、国交省の音頭に乗って莫大な投資を行い開発を行ってきた企業なわけだから、国交省には電子納品の全国的な普及を図るための努力を行う責任があると言えよう。その上で各ベンダーを競争させ、適切な価格、機能の商品が残るようになれば健全な市場の育成にも繋がるだろう。
 

もし来年が中止であったとしても、再来年(2011年)には再びCALS/EC MEESEが開催されることを期待したい。