昔から、世の中が大きく変わる時には、対立や紛争といったものが必ず起こっている。

近代日本では、あの200年以上続いた徳川幕府が滅ぶ直接の原因となった戊辰戦争を思い出す。(無論本で読んだ程度の知識しか無いのであるが)

さて、今北海道の抱えている問題としては、道の財政を早急に立て直さなければならないということだろう。

この北海道支庁再編の究極の目的は、よりコンパクトな道政の実現による財政再建にあるのは明らかで、それの実現には、支庁から権限が委譲される市町村の準備態勢が整うのかどうかがポイントだ。

また道は現在の14支庁から、9の総合振興局と5つの振興局にするという案を道議会へ提出するようだ。

9+5=14で見掛け上は名前が変わっただけとも思えるが、権限委譲によりコンパクトな行政機関になるはずであり、道ではその分の人件費などの支出が抑えられるとしている。

一方それに対して、各市町村では権限委譲による負担の増大や、地域経済が更に悪くなるとの危機感があるとして、慎重論が多く、双方の溝が大きく開いているのが現状だ。

さらに、北海道にはもっと大きな難問が続いている。それは道州制への移行だ。

この道州制は、道と北海道開発局の統合により二重行政を防ぐ意味合いもあり、やはり国の財政問題の解決策の切り札として、この北海道をまずは実験台にしているように思える。、統合後の事業執行予算の削減により、公共投資の大幅な減少がちらちらと見え隠れしている現状では、一次産業や建設業が中心の北海道にとっては、道州制=薔薇色の未来、とはお世辞にも思えない。

このように道民だけではなく、自治体の長ですら持っている懸念に対して、十分な説明がない状態で、強行に進めようとしているのは、やや国側の焦りのようなものを感じてしまう。

先日の開発局農業談合事件の摘発などは、開発局への住民感情を悪くするための印象操作ではないか、とさえ邪推してしまう。タイミングが良すぎるのだ。つまり、そのような悪いことをする役所は要りませんよという住民の声を高めるのが本当の狙いではないかと。

誤解をしないで欲しいが、私は現状がベストだと言っているわけではない。愛すべき北海道の将来を案じているのだ。なぜなら私もそして私の家族もこれからずっと北海道に住むのだから。

もし、このまま支庁制度改革や道州制への移行を進めた結果、この北海道の経済が発展しないまま没落していくようなことにでもなれば、大げさと笑われるかもしれないが、第二の榎本武揚や土方歳三が登場するのではないかとさえ思っている。一言で言えば北海道独立論だ。

これから先、絶対に無いとは言えない食料危機が起こった時、北海道の食料生産能力が日本にとっては天の救いになるはずだ。そのためには、国は北海道をお荷物扱いしたりしないで、農業の抜本的な政策の見直しを行い、大規模農業経営への道筋等を作るべきであろう。

そのためのインフラ整備であれば、無駄な公共投資だとは誰も言えなくなるだろう。