8/30(火)はCALS/EC資格制度の登録更新講習日だった。
昼に
建ブロ会メンバーであるキタノミナト氏と浅草寺前で合流し、一緒に昼食をとってから会場となった浅草ビューホテルへと移動した。

講習会のレジメは以下の通りだ。

第一時限:これまでのCALS/ECの歩み

第二時限:これからのCALS/EC

第三時限:要領・基準類の最新情報

第四時限:CADデータのリサイクル−SXFを活用した図面の電子納品

第五時限:経験から得られた事例紹介

このような流れで13時から17時まで4時間の講習を受けてきたので、早速その内容を順に書いていこう。

1)第一時限目
・電子入札および電子納品については、都道府県および政令市において、ほぼ浸透した。
・情報共有や成果品の利活用は、都道府県においても取り組み状況に差がある。
・中核市や一般の市町村でのCALS/ECは電子入札の共同利用などを除くと、まだ十分に浸透していない。

このようなまとめで終わったわけなのだが、我々が知りたいのは資格者はどう活動したら良いのか、ということなのだ。そんな他人事のように報告を受けても困るのだ。このまとめ方はどうにも投げ槍に聞こえてならなかったのだがそう感じたのは私だけでは無いと思う。
本来はこういう問題があるので資格取得者はこうして欲しい、こうするべきだ等のご指導を頂かなければ、そもそも講習を受ける意味が無いと自分は思うのだ。浸透していないのであれば浸透するように、建コン事務局として一体どうするべきなのかを真剣に考えなくてはなるまい。

2)第二時限目
歴史学的で哲学的な
土木建築を深く掘り下げた先生の講義は大変に面白かった。ただし、第一時限で、CALSがまだ十分に浸透していないという報告があったばかりなのに、今後の土木は設計、施工、維持管理もすべて三次元化される時代がすぐそこまで来ているという結びには違和感を感じざるを得なかった。
私が知るかぎり未だに携帯電話のメールですら使ったことがない現場技術者は山ほどいるのだ。で、彼らはそれがダメな事だとは思ってはいない。なぜならそんな物を使わなくても立派に物を造ることが出来るからだ。

3)第三時限目
電子納品の基準改定内容の説明を受けた。あくまでも国総研の電子納品要領及びガイドライン等の説明であり、情報化施工や道路工事完成図等についての中身の説明は一切無かった。また、北海道開発局のガイドライン等に関する説明も一切無かった。
改定内容については、本来は受注者・発注者ともに知っていなければならない内容であって、資格者だけが知っていてもあまり意味が無い。
本当はこのようにして電子納品させて集めたデータを、国交省はどのように活用しようとしているのか、各自治体にはどのように指導をしていくのか、市町村が導入する際の技術的、金銭的な支援体制はあるのか無いのか、無ければ資格者としてどう活動すれば良いのか等が知りたいわけだ。改訂内容よりもこちらのほうがはるかに重要なのだが・・。

4)第四時限目
とある地域の下水道におけるCADデータリサイクルに関する講義であったが、大変申し訳ないが何を言いたかったのかが良く分からなかった。
PPTのタイトルや内部にも”SXF”が、なぜか”SFX”となっていて、特撮か!と思わず笑ってしまった。
また、使用するCADがコンサルタント会社で使えないとか、今年度で問題なくシステムに反映できたのはわずか5件のうちの2件だったとか、正直に言ってまともに運営されているというイメージは皆無であり、CALSは失敗だったという印象の方がはるかに強かった。
どう考えてもマイナスイメージを強調する説明内容となっていたように自分は感じたが、果たしてそう思わせるのが事務局の狙いだったのかどうか。また、せめて誤字には誰か気がつくべきであろう。印刷会社へデータを送るまでに何人も目を通したはずなのだが誰も気が付かないというのは些かお粗末すぎるのではないか。

5)第五時限目
メディアの保存やSXF変換、PDFの考え方等の一般論なので感想は特に無し。

以上のような内容の説明を受けてきた次第である。明らかにCALS/ECは迷走状態にあると言えよう。そもそも、CALSに関しては誰に聞いても失敗だったね、という意見しか聞こえてこないのが現実なのに、そのことを知らないのか、それとも知っていながら黙殺しているのか。
少なくとも講習会に参加した人たちは、まだCALSに未来を、希望を持っている人達がいるはずなので、事務局も国交省や関係機関はそれらの人を味方につけるべく支援しないといけないんじゃないかなと思うのだが。
やはり現実を把握し作戦を立てなければ、まさに戦中の帝国陸軍のように成りかねないと感じるのだ。いつまでも大本営発表では一般納税者も含めて公共事業に関わるすべての人が最後は困る結果となるのだ。

ちなみにRCEもRCIも講習内容は共通だった。