今日はとても嬉しいことが有った。でもとても辛いことも有った。
平均すると普通の日だったのかもしれない。が、やはり辛い出来事があると、嬉しいことなんかは簡単に吹っ飛んでしまうのであった。こういう日は酒でも飲んで早く寝てしまうに限る。さっさとベッドに入って読みかけの安部 公房「榎本武揚」の続きでも読むとしよう。

先月は少し話題にもなった村山由佳の最新刊「ダブル・ファンタジー」も読んだのだが、どうにもリアルさに欠けて話にのめり込む事が出来なかった。これは自分に言わせれば官能小説ですら無かった。一言でいうならばどんな男と付き合っても満足することが出来ない只のエロ女の話なので、あそう、って感じだ。
まあ、女性が読んだらこれでも共感できるのかもしれないが、至ってノーマルの男である自分にはどこが面白いのか全く判らなかった。
ただ、その裏には、要するにもし自分が相手だったとしてもこの女には簡単に捨てられてしまうだろうという激しい敗北感への嫌悪の感情があるのかもしれないなぁとも思えるのだけれども。
ま、女性の扱いになれていると自信のある方は「ダブル・ファンタジー」を読んでみるといいかもしれない。
自分はこの手の本よりも、好きな歴史物を読むのがどうやら性に合っているみたいだ。

「榎本武揚」は、五稜郭に立て篭もってまで明治新政府軍と戦ったにも関わらず、その後は何故か許され、明治新政府に入閣しとんとん拍子に出世していくのである。そのことを指して、裏切り者とか変節漢、転向者といったレッテルが貼られていると安部 公房は書いているが果たして真相はどうだったのだろうか。
また、新選組の土方歳三や近藤勇をはじめ、榎本と一緒に函館で戦って散った兵達はは鬼籍に入ってこの榎本をどう思っているのかが大変気になるのであった。
北海道に関係することなので、いつかは読んでおこうと思っていたのだが、これはグッドチョイスだった。早く続きを読むことにしよう。

ということで、読書はとても愉しい。
明日も仕事を頑張るべし。

W/F ダブル・ファンタジー
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1 世間にはこういうことがある
5 すべての色を、塗り重ねた黒色。
2 私小説ですか?
1 どこがファンタジー
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