将来の年金給付水準は平成50(2038)年度以降も50.1%を維持できるとの試算が発表されたが、これもいまさら信用できる数字といえないだろう。
名目賃金が毎年2.5%UPするのが前提条件だし、出生率も1.26のままだが、この御時勢で賃金が下がる声は有っても増える話などはほとんど聞かない。
街には失業者が溢れ、派遣の解雇どころか正社員ですらリストラされている状況だ。そんな中では満足に結婚できる人も限られ、結婚したとしても共稼ぎを強いられて子供を生み育てるだけの余裕は無い。更に、産んでも教育に莫大な金が掛かることを考えるとせいぜい一人、多くても二人程度と、子供が増える要素などは皆無である。にも関わらず出生率が1.26のままというのは、予想が甘すぎると言わざるを得ない。
また、収入が無く、国民年金の掛け金を払っていない人も多数存在しているわけで、そういう人達は将来年金を受給する資格が無く、その結果生活困窮者として将来は生活保護の対象になると思われる。
仮に国民年金だけはきちんと掛け続けてきたとしても、どうやら生活保護のほうが額面で上になるようで、とてもじゃないが生活出来ないという額しか年金では給付されないわけだ。
東京都区内の生活保護世帯の支給額例(wikiより)
合計 344,990円(月額) ※小中学校の教材費、給食費、交通費等は実費支給。 |
★生活保護(高齢者夫婦) 94,500円/月 (二人で)
・住宅扶助あり
・医療扶助あり
・介護扶助あり
・葬祭扶助あり
★国民年金(老齢基礎年金額) 満額792,100円/年 66,000円/月 夫婦 132,000円
・住居費は個人負担
・医療費も個人負担
・介護も個人負担
・その他すべて個人負担
このように真面目に国民年金を払ってきて生活保護より収入が少ないというのは果たして容認しても良いのだろうか?
生活保護とは文字通り生きるための最低限の保証であって、憲法第25条に規定されている理念であるが、すくなくとも国民の義務を果たしてきた年金加入者の方が、生活保護世帯よりも豊な生活を享受できないのは理不尽であると自分は思うのだが・・・。
以上のことを知っているなら、真面目にコツコツと年金を掛け金を払っていくのが馬鹿馬鹿しいと思う人が出るのも当然のことだ。その結果掛け金を払わない人が更に増加することになるのは想像に難くない。
要は生活保護の額と年金支給額のバランスが悪すぎるのである。ここを根本的に見直さなければ、年金問題の不信感はいつまでも解消しないであろう。
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