先日、久しぶりに友人T君と会い、昨今の経済問題やファイターズことなど楽しく談笑したのだが、北海道経済の先行きについての話がいつしか建設業、とくに公共工事についての話題となった。

T君の意見の内容は凡そ以下の通り。

◎無駄な公共工事ばかりだ。

◎道路も橋もぼろぼろでいいんだ。

◎新たに道路を作るなんて無駄。

◎高速道路も新幹線もみんな要らない。

◎無駄な公共施設もいらない。

◎不便なところは不便のままでいいじゃないか。

などなど、我々建設業に携わっている者からすれば憤慨してしまうような意見ばかりである。

で、T君は続けて言う。

◎ガソリン税も暫定税率は辞めるべきだ。

◎もちろん一般財源化するべきだ。

◎予算はすべて福祉に廻すべきだ。

とも言うのであった。

自分は精一杯に反論するのだが話は平行線のまま、こういう議論は不毛だね、として退散の時間が来たこともあって、そこで別れて帰ってきた。

自分が賛同できる意見は、福祉を充実するというただ1点であって、それ以外のすべてが自分とは真逆の意見であれば、対立するのも当然であろう。
T君との友人関係を壊す気は更々無いので、自分の意見を出来るだけ控えていたのではあるが、ここまで考え方が大きく違うとは思っていなかっただけに、深く落胆してしまうのであった。

一体どうしてこうも違う意見になるのであろうか。

T君の名誉のために書いておくが、彼はとても頭脳明晰で善悪の考え方がはっきりしているいわゆる切れ者である。

思うに、最近のマスコミにおける建設業のバッシングが激しいため、悪い面しか見えていないのだと自分は思うのだ。談合問題、手抜き工事、政治家との癒着、天下り問題、とこれらの記事が新聞などに載らない日は無いほど、叩かれている建設業界であるが、世の中すべての業者がみなそうだというわけではあるまい。厳しい環境の中で、少しでも良い施工をしようと努力している会社のほうが圧倒的に多数のはずだ。

100円の物を98円だから談合とか騒いでいるが、それは業界を知らない者の意見であって、仮に100%で受注したとしても市場単価を基にした積算単価ではそんなに大きな利益など残るわけが無いのだ。今は利益を削って、無駄をとことん排除してそれでようやく数%の利益を出している業者が圧倒的多数だろう。下手をすると赤字になる工事すらあるというのに、である。

公共工事とは、そもそも国民や地域住民にとっての財産を作る仕事である。インフラの整備が無ければ、産業も興きず、人も住めず、故に何も出来ないのだ。従って、何もしなくても良いというのは、まさに思考停止であって、日本はすでにインフラが整っている東名阪以外はすべて滅んでも良いという亡国の理屈なのだ。

マスコミの味噌も糞も一緒にした乱暴な意見を鵜呑みにするのはとても危険なことだ。
無駄なものはもちろん不要だが、必要な物は必要と、データを捏造することなく、国や自治体は誠心誠意の気持ちをもって、企画立案や実施をして行って欲しいと思わずにはいられない。

要するに、今の行政に対する不満が、そのまま建設業者にぶつけられてしまっているのだと自分は思いたい。このような考え方が社会に蔓延してしまう前に、行政側もしっかりと情報を発信し、間違ってていることは違うとして、国民全体を味方に付けるように配慮して欲しいと私は思うのである。

道路特定財源については受益者負担で当然だと思うし、一日も早く南は九州から北は稚内まで、一本の高速道路で結びつけて欲しい。それでようやく公平と言えるだろう。故に暫定税率のまま一般財源化するのは、今更だが到底賛成できないのある。

とまあ、ついつい熱くなって書いてしまったが、ネガティブな考え方のほうが今では主流なんだろうか・・・少し自信が揺らいでいる今日この頃なのであった。

T君、また来年は一緒に札幌ドームへファイターズを応援しに行こう!
この記事への反論は受けて立つよ(笑)