一昨日の土曜日の夕方、本来ならば家族サービスをしなくてはいけないところであるが、連日の激務の疲れを取ろうと一人で映画を観にいった。
 

どれを観るかは予め決めていた。押井守監督のスカイ・クロラというアニメ作品だ。

原作があるそうだが読んだことは無く、TVのニュースでちらっと紹介されていたのを見て興味を持ったのだ。

特に、旧日本海軍が戦争末期に開発した震電という前後が反対になったような戦闘機によく似た飛行機が、空中戦をするシーンが印象に残り、どうしても見たいという衝動を抑えられなかった。


公開初日であったが、席に人はそれほどいない。まあ半分位の入りか。

上映が始まり、冒頭から空中戦シーンから始まる。格好の良いシーンが連続し期待が高まる。


主人公が現れる。なかなか興味あるキャラクターデザインだ。声優もはじめは違和感が有ったが、次第に慣れてくる。というより物語の全容が掴めてはじめてなるほどと納得できる。
 

なかなか興味深いストーリーで段々と物語に引き込まれていく。気が付くともうラスト10分位になっている。
それでだ、クライマックスのシーン・・・

見事なまでに期待を裏切る結末が待っていた。

ここに到るまでにはおぼろげながら世界観が判ってきただけに、自分はショックで呆然としてしまった・・

あまり書くとネタバレしてしまうので、この程度にしておくが、観終わった後に激しく鬱になってしまい、自宅に帰っても家族と会話もしたくないほどであった。
 

思うにこの映画は娯楽作品では無い。現実社会を写す鏡のようなものだ。

自分のように、理想と現実の間でもがき苦しんでいる者にとっては、主人公の思考内容が現実の自分を投影しているようで何故だか辛くなるのだと思う。
 

何を書いているのか自分にも判らなくなってきたのだが、この作品をアニメだと馬鹿にせずにぜひ観て欲しいと思う。観ることで、きっと鬱になったこの気持ちが判っていただけるだろう。また、自分はこの原作本を読んでみようと思った。恐らく2時間の映画にするには内容が濃いのだろう。小説であればもっとこの世界の事がわかるかもしれない。


それにしてもストレス発散のために観た映画でストレスが溜まるのは一体どういうことだ?この、押井守監督の作品はスカッとするようなものが無い。だから好き嫌いがはっきりするのだと思う。
 

最後に、この映画はエンドロールの後にもシーンが有るので席を立ったないように。

以上。